理事長所信
はじめに
あなたにとって『JCとは』人それぞれ、その人、その人にとって『JC』にはいろいろな想いや価値がある。人によっては大きく人生を変えてしまう程の力もある。私にとって、あなたにとって『JCとは何なのか』改めてその意味を考えてほしい。
これまでも、これからも脈々と永遠(とわ)に続く『JC』の持つ力とは何なのか。『JC』の魅力とは何なのか。
改めてあなたに問います。
あなたにとって『JCとは?』
1949年、「日本はこの先どうなるのだ!」という今以上に混沌とした戦後の時代背景の中、志ある7名の若者たちが日本の将来を心の底から憂い、祖国の再建と地域の復興を考え、東京青年会議所を設立し日本での青年会議所運動が始まりました。その志はやがて全国各地に飛び火し、1957年7月、社団法人名古屋青年会議所のスポンサーの下、「明るい豊かな社会の創造」を目指し、27名のメンバーによりこの碧南の地にも青年会議所が産声をあげました。以来、今日に至るまで熱き志を持った先人が、我々の愛する郷土碧南に情熱を注ぎ込み、大いなる実績を積み重ねて参りました。我々は、長きに渡り伝えられてきたこの情熱を絶やす事なく、先人が築き上げた設立の精神に今一度立ち返り、進化と継承のバランス感覚を持ちながら新たな未来を築き上げていく為に、我々メンバーが一致団結し、心の底から湧き上がる熱い想いを持って率先して運動を展開していく必要があると思います。
現在、私たちを取り巻く社会情勢は景気に明るい展望もなく、日本経済を低迷させています。問題はそれだけではなく、少子高齢化、コミュニティの崩壊、凶悪犯罪の低年齢化等、様々な社会問題が蓄積し、閉塞感が社会全体を覆い尽くしているように思います。特に、身勝手で卑劣な事件や偽装による企業不祥事といった「自分さえよければよい」という「利己主義」が蔓延した歪んだ現代社会は、我々が目指す社会とかけ離れてしまっているように思います。こんな閉塞感が漂う時代だからこそ我々JCができる事、そしてしなければならない事があると思います。
それは、本気で地域を愛し、そこに住む人を愛する。そんな「心」が現代社会にとって、忘れかけている事であり、最も必要とされているものではないでしょうか。今、子どものしつけや学力向上には「親力」や「学校力」といった力が必要とされています。我々JCが今できる事は、個々の力を結集し、メンバーが一致団結して魅力ある「まちづくり」や郷土愛を育む「ひとづくり」の運動、すなわち『JC力』を発揮していく事だと思います。「明るい豊かな社会の創造」へ向けた運動は、やがて市民の意識を変え、まちを動かす大きなうねりとなり、笑顔が溢れる心豊かなまち“へきなん”の創造に繋がると確信しております。
笑顔が溢れる組織づくり
全国的に青年会議所会員の減少が叫ばれている中、碧南青年会議所の会員数も1992年度の81名をピークに近年は減少傾向にあり、2009年度には会員数が65名を切るまでに減少しています。また、今後2012年までの3年間で会員のほぼ半数にあたる33名もの会員が卒業をしていく現状について皆様はどのように考えられているでしょうか。今現在、LOMとして会員拡大の決め手となる方法や解決策というものをなかなか見出す事ができずに時の流れだけが進んでいます。人それぞれ入会する際の動機は違いますし、どんな理由で入会しようが個人の自由であると思います。しかしJAYCEEである以上、JCの不変の理念である「明るい豊かな社会の創造」に向かって運動する事は、我々に課せられた使命ではないでしょうか。個人を取り巻く環境は、仕事・家庭・その他の活動など色々あります。しかしJAYCEEは、これと同時にJC活動を行わなければなりません。つまりバランスの良い人間力を身につけ行動する必要があります。しかしJC運動の理解を遠ざけ、自らバランスを取る事を放棄したりしていませんか。大切な時間とお金を使っているにも関わらず「無理だ!苦しい!楽しくない!」といって止めてしまっては、地域も自分も何の成果も得られません。自分自身を大きく成長させる事は地域の成長でもあるのです。自らの意思でちょっとした壁を打ち破り、本気になってJC活動に参加する事で、物事を伝える力・人を纏める力などが備わり、自分を大きく成長させるのです。そしてその力を地域の力として、地域貢献する事がJC運動なのです。JCという組織をつくっているのは我々会員であり、魅力あるJCをつくるのか否かは会員の資質の問題です。会員が増えない事を経済情勢や社会情勢のせいだけにはせず、JC活動を行っているJAYCEEに対しての社会的評価なのだと受け止めなくてはなりません。魅力あるJCであれば地域や市民の求める活動をしていればこそ、共に活動したいと願う人々が自然と集まってくるでしょう。会員拡大の結果の数値は、我々の運動に対する社会・地域の評価そのものであり、我々の活動の最もわかりやすい成果であります。まずは今のこの現状を全メンバーで真剣に考え、LOMの危機迫る現状を十分理解して頂きたいと思います。またLOM一丸となり、JCの枠組みを超え、幅広く市民の皆様に関心を持って頂く必要があると思います。そして、青年経済人らしく会員拡大の数値目標を明確に掲げ、組織として綿密な戦略をしっかりと立て、情熱を持って積極的に会員拡大活動に取り組んで頂きたいと思います。
総務がしっかりと役割を全うする事は、碧南青年会議所にとって必要不可欠であります。JCにおいて総務系が必ず言われる「当たり前の事を当たり前にやる」をしっかり貫き通す総務が碧南青年会議所の屋台骨を支えていく事は間違いありません。活動は地道で派手さはありませんが、骨太な総務こそが組織の要となる事は、今も昔も必定なのです。
私は、この碧南のまちに向けた運動や活動の全ては、碧南青年会議所の総力をもって成さねばならないと考えます。各々の役割は違っても、一丸となって臨む事がJCの最大の特徴である「若さ」であり、大きな効果を発揮できる手段の一つであると考えます。全ての運動や活動の為にLOM一丸の精神とその雰囲気を碧南青年会議所の文化として醸成していく必要があると思います。
まずその為には、例会という毎月会員が一堂に会する機会を大切にしていきたいと考えます。公益性を持ちながらも、会員の意識の方向性を同じにしてその力を結集していく場でなくてはなりません。一昨年より増やし続けている公開例会も、公益法人化と組織強化のバランスを取りながら更なる進化を目指して新たな事に挑戦していきたいと思います。
また、組織内部の情報連絡手段としては、碧南青年会議所はいち早く会議資料のペーパーレス化やデジタル媒体を推し進めて参りました。ITという言葉も世間で認知されて久しくなった現在、情報技術は発達してもそこに人の心や人の温もりが感じられなければ、想いや考えを十分に伝える事ができず、誤解や確執さえ生じてしまうケースがあります。革新的な便利さの反面には諸刃の剣のような扱いの難しさが隠れているものです。それは昨今のインターネットに端を発する様々な事件を見ても、ITに偏る危険性を感じてなりません。本年、碧南青年会議所はITを駆使しながらも人の心を感じられるようなバランスの良い組織運営を心掛けていきたいと思っております。
JCの活動の一つとして出向という機会があります。出向を通して愛知、東海、日本、そして世界のJCメンバーと出会い、LOMとはまた違った活動をする事で得られる学びや、気付きは出向した本人にとって今後の貴重な財産となり、そして必ずそのメンバーの成長に繋がっている筈です。出向者が出向先で学んだものをLOMにフィードバックし、LOMの活性化に繋げる事が出向の最大の目的です。自分の限界を自分で限定する事なく、本年も一人でも多くのメンバーに出向という機会を活かして頂きたいと思います。我々LOMメンバーは、出向されるメンバーが存分に活躍して頂けるよう精一杯の協力と支援をさせて頂きます。また、JCI、社団法人日本青年会議所、東海地区協議会、愛知ブロック協議会による国内外の事業への積極的な参加の働きかけを行い、それら諸会議や大会などのメインフォーラム、各セミナーを受ける事で皆さんの成長の糧として頂きたいと思います。
広報活動は碧南青年会議所の行う運動を広く世間の皆様に知って頂く為にも、運動の公益性を求めていく為にも、ひいては会員の意識向上の為にも非常に重要であります。対内広報活動には情報の共有化が重要であり正確さと速さが求められます。それに付け加え情報の一方通行にならないように、思いやりある情報伝達が必要であると考えます。また、対内だけではなく対外への広報活動も我々の考えを地域の皆様へ伝える非常に重要な役割であり、我々の想いを伝える為に行政や他団体、市民へ情報発信を常に欠かさず行う事が重要であります。さらに、インターネットや広報紙だけではなく、メディアとのネットワーク作りも推進し、効果的な広報活動を行う事が必要と考えます。
笑顔を育むひとづくり
この碧南青年会議所に入会した新入会員の皆様は各々色々な想いを抱いて入会して参ります。しかし、個々の想いは強くてもその方向性がバラバラでは組織としての推進力も減衰してしまいます。将来の碧南青年会議所の大きな力となる新入会員にまずは我々の団体とその伝統を理解して頂き、JAYCEEとしてのモラルとマナーを身に付けて頂きたいと思います。また、それと平行してできるだけ早くJCの魅力と無限の可能性を肌で感じてもらう必要があります。JCの一番の魅力と無限の可能性は三信条の下に行う多くの事業にあります。熱く議論する事業の準備段階から参加したり、事業に取り組むメンバーの真剣な姿に触れたり、事業が終わった後のまちの人の喜ぶ顔やメンバーの達成感に満ち溢れた顔を見る事で、新入会員もきっと変わってくる筈です。それを感じてもらうには、より多くの事業へ積極的に参加する必要があると思います。JC活動はリーダーによる強烈な指導力と周りのメンバーからの温かい支援の融合により爆発的にその成果を上げます。それを結びつけるのはお互いの信頼と尊重に他なりません。全メンバーに各々の役割が充てられており、そのどれかが不充分でも期待された成果は得られません。ならば、「自分はまず何をすべきか?」全てはそこからです。全メンバーが、組織の中での自分に期待された役割をしっかりと認識し、率先してその担いを全うしようとする責任感と姿勢が必要です。各々メンバーには色々な境遇の中で自分にしかできない事、自分だからこそできる事がある筈です。それをまずは見つけて下さい。「自分は組織に対して何ができるのか?愛する郷土碧南に何ができるのか?」常に自分に問いかけてみて下さい。我々は青年経済人として多くの運動や活動に対して責任感を持って臨んでいける人材や、ひとつの大きな心を持ってメンバーと共に歩んでいける連帯感を持った人材を育成していきたいと思います。
公共事業の減少や個人消費など需要が落ち込み、愛する郷土碧南を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況にあります。我々はJCメンバーである以前に企業経営に携わるリーダーなのです。企業があってJC運動ができるのであって、JCに在籍しているからこそ企業をより発展させなければなりません。そして青年経済人が集う我々JCメンバーだからこそ地域経済を活性化させる責務があるのです。企業も社会の一員であり、地域と一体となって社会貢献活動に積極的に参画する事は企業の社会的責任でもあります。企業の業績を上げる事のみを目的とするのではなく、地域社会と共に生きる企業として、積極的に地域貢献活動を行う事で企業価値を高める努力が必要だと考えます。先行きが見えない厳しい経済状況の中、明るい未来を切り拓いていくには、我々JCメンバーを含めた青年経済人が自ら資質を向上させ地域経済へ元気を発信し、経済をより発展させる事が必要不可欠です。青年経済人の元気なくして、地域経済の活性化はあり得ないのです。
社団法人日本青年会議所東海地区協議会の事業として開催される洋上研修船「とうかい号」は、我がまち碧南の次世代を担う若者達が毎年乗船をしております。私は、いつも成長して帰ってくる多くの乗船者の笑顔を見るたびに、我々が目指す「明るい豊かな社会の創造」にまた一歩近づいてきたと実感します。乗船者は洋上研修を通じて、自分自身を見つめ直し、新しい自分を発見し、生涯に渡るかけがえのない多くの仲間を作り笑顔を携え帰ってきます。我がまち碧南の次世代を担う若者達に対して共に未来を創造できるチャンスを頂ける事に改めて誇りと喜びを感じ、LOM一丸となって全面的にサポートをしていかなければなりません。
笑顔に出会うまちづくり
昨今、テレビや新聞の紙面を騒がす青少年の凶悪犯罪やいじめなど利己主義的な事件が、全国各地で毎日のように発生しています。その事件ひとつひとつは今、我々のすぐ近くで起きても決して不思議ではなく、この碧南でも起こり得るのです。なぜこのような事件が多発するのでしょうか。ひとつには、地域コミュニティの連帯意識が希薄になっている事に起因していると考えられます。昭和の時代には当たり前のようにあった近所付き合いは希薄になっており、隣近所に対しての無関心さや、自分さえよければよいと言う利己主義的な考えが蔓延し、無関心以上に相手を傷つける事さえ咎めない現状も見受けられます。また、青少年に対する家庭や学校、地域社会での教育のあり方についても足並みが揃わず、孤立する子どもたちが増え、結果的にいじめや犯罪に手を染め、時には大人たちには想像もつかないような行動を引き起こす事すら、今の世の中では不思議ではありません。そんな時代だからこそ、家庭や学校の教育だけではなく、地域コミュニティの創造が必要であり、郷土を愛する心が求められます。碧南青年会議所は長きに渡り熱い志を持った先人がこれまで多くの素晴らしい市民事業を立ち上げて参りました。また、今現在も根強く市民の皆様に支持されている事業が続いているのも事実です。しかし、JC主導で市民を巻き込んでの継続事業は残念ながら今現在ひとつもないのが現状です。創立後、半世紀を折り返した今、碧南青年会議所は次なるステージに進む時ではないでしょうか。私は2007年日本青年会議所組織変革推進会議に出向させて頂き、全国各地の多くのメンバーと出合う機会を頂きました。全国の多くのLOMでは、JC主導で根強く市民の皆様に支持されている継続事業を行い、地域社会で高い評価を得ています。碧南青年会議所として、また地域社会になくてはならない団体として、今以上に地域で期待される団体であり続ける為に、過去の活動を振り返り今後の方向性を考えながら、青少年や市民に夢や希望を与えられる継続事業の実施を行う必要があると考えます。
さらに、8年間に渡り地域、学校関係者から高い評価を頂いております中学生ボランティアの募集を引き続き行い、愛する郷土碧南の未来の担い手となる青少年の健全な心と郷土愛の育成に努めたいと考えます。本年、碧南青年会議所が行う事業、市民まつりの参加を含め我々メンバーと中学生が一緒になって汗を掻き、苦楽を共にする事で初めて意図するところの想いが伝わる筈です。その結果、魅力ある「まちづくり」や郷土愛を育む「ひとづくり」に近づく事になると考えます。
笑顔の絶えないLOMづくり
JCの活動は単年度制です。それによりその時代に見合った事業を展開していく事ができ、また、メンバーにとっても多くの経験を積む事ができます。「不連続の連続」という言葉で示すように、目的は常に同じですが、年度毎に様々な手法を使ってまちづくりを行います。来年には創立55周年、そしてその先の60周年に向けて、LOMとしてしっかりとした中期的なビジョンを持って進んでいく必要があると思います。そのために中期ビジョン特別会議を立ち上げ、碧南市の未来も見つめながら、組織運営全般の見直しを行い、今後我々のあるべき姿を明確に見据えて参ります。おわりに
我々が良く歌う「若い我等」の歌詞の中にも度々出てくる「足なみをそろえて行こうじゃないか」というフレーズ。実は非常に難しく、逆に私は、「足なみをそろえる」事ができれば、どんな運動も成功すると信じています。「和を以って尊しと為す」という聖徳太子が定めた十七条憲法の第一条に出てくる有名な言葉が意味するように、私はどんな事でもチームワークを持ってすればうまくいくと考えています。そして個々の想いや心をひとつに束ねた先にこそ、この碧南のまちの力となってまちづくり運動を行う事ができます。決して個を否定するのではなく、まさにJC宣言にもあるように「個人の自立性と社会の公共性がいきいきと協和する」事が現在の我々の求めていくバランスではないでしょうか。今こそ我々は、碧南青年会議所だからこそできる最適のバランスを求める時であると感じています。対内外に向けた運動や活動のバランス、古き良きJCとこれからの新しいJCとのバランスなど、様々なバランスを求めていく時であると感じています。光があれば陰があるように、また、表があれば裏もあるように世の中の事象全てには両極が存在し、そのバランスによって世の中は成り立っています。JCでしばし言われる「緊張と緩和」という言葉に表されるように、両極をしっかりと行える事こそがJCという組織の大きな魅力であり、会員個々の人間力に繋がっていくのだと思います。戦後から高度成長期にかけて物質至上主義に偏重した世の中は今、この平成の時代において数々の綻びを見せているように感じます。先人の努力によって大きな経済成長を果たし、物の豊かな現在であるからこそ「心の時代」である事が求められ、物質的・経済的豊かさと精神的豊かさのバランスをしっかりと取っていく事が、これからの時代に必要な事ではないでしょうか。常に変化を続けている時代や世の中に順応し、どちらか一方だけではなく、また決してどっちつかずではなく、最適なバランスを取りながら両極をしっかりと求めていく事こそ、今の碧南青年会議所の個性であり、大きな特徴になっていくと考えます。ひとつのまっすぐな心で、皆の心をひとつにして、青年としての英知と勇気と情熱をもって、真摯に取り組みながらも十分に楽しみながらJC運動を共に実践して参りましょう。
最後になりましたが、私自身、まだまだ微力ではありますが、一生懸命取り組んでいく所存です。先輩諸兄のご指導、ご鞭撻並びに会員の皆様の一層のご理解、ご協力を賜ります様、心よりお願い申し上げます。










